森の恵みをエネルギーに――美濃加茂バイオマス発電所を見学しました
10月29日、江南市女性連絡協議会環境委員会主催による「美濃加茂バイオマス発電所」見学会を実施しました。
秋晴れの空のもと、13名で自然の力を活かしたエネルギーづくりの現場を訪れました。

◆ 森林資源を地域の力に
「美濃加茂バイオマス発電所」は、国産の木材を100%使用して発電を行う施設です。
そのうち約7割が間伐材、残り3割は木材工場などから出る端材。
つまり、森の手入れで出た木や、本来なら廃棄されるはずだった木のかけらを、エネルギー資源として再利用しているのです。
伐採された木材はチップ状に粉砕され、ボイラーで燃焼。その熱で蒸気を発生させ、タービンを回して電気を生み出します。
この仕組みは、火力発電と似ていますが、燃料が“化石資源”ではなく“再生可能な木”である点が大きな違いです。
発電所の職員の方から、「この発電所では、美濃加茂市全体の約70%、およそ16,000世帯分の電力をまかなっています」との説明があり、参加者一同驚きの声を上げました。
木がこんなに多くの電気を生み出せるとは――まさに、地域の森が地域の暮らしを支えているという実感が湧きますね。

◆ 3年の稼働で見えてきた可能性
この施設は稼働から3年。まだ若い発電所ですが、すでに地域のエネルギー循環の要として重要な役割を果たしています。
森林は手入れをしなければ荒廃し、災害リスクの増大にもつながります。
間伐材を適切に利用することは、森林保全にも直結します。
また、燃焼後に出る灰も有効活用され、肥コンクリートの原料や、土壌改良材としてリサイクルされています。
資源を「使い捨てる」のではなく、「使いながら循環させる」――そんな持続可能な社会の形が、ここではすでに実践されていました。
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◆ 工場見学で感じた「エネルギーの重み」
実際の施設内では、社長さんの講座を受けたあと、木質チップの山、燃焼炉から発電タービン、などを順に見学しました。敷地並ぶ設備に圧倒されつつ、木の香りがほんのり漂う空気の中で、自然と人との共生を感じました。

エネルギーを「使う」ことが当たり前になっている私たちの日常。
その裏で、どれほどの手間と工夫が積み重ねられているのか――参加者一人ひとりが改めて考えさせられる時間となりました。
◆ 持続可能な未来へ
私たちの生活に欠かせない電気。その供給の裏には、こうした地域資源を活かす新しい取り組みが広がっています。
発電に使う木材は地域の森林から買い取られており、山で働く人々の収入源となっています。
木が「資源」として循環することで、若い世代が安心して林業に携われる環境づくりにも一役買っています。
さらに、燃焼後に出る灰も再利用されており、草を抑える資材やコンクリートの材料として有効活用されているそうです
バイオマス発電は、単に電気を生むだけでなく、森林の保全、地域経済の活性化、そして地球温暖化の防止にもつながる“循環型エネルギー”です。
私たちは、今後もこうした現地見学や学習会を通じて、身近な環境問題を自分ごととして考える機会を大切にしていきます。

見学後は「ぎふ清流里山公園」へ移動し、自然豊かな園内をゆっくり散策しました。
木々の緑と秋の風が心地よく、地元野菜を使ったランチに舌鼓を打ちながら、参加者同士の交流も深まりました。

かわいい動物たちとのふれあいコーナーでは、ヤギやウマにエサをあげるメンバーの姿も見られ、笑顔あふれるひとときとなりました。

今日は、美濃の里山の恵みを五感で味わい、環境への理解を深める一日となりました。
































































































